コペンハーゲンのスーパーに陳列されている商品を見ているとよく目に入ってくるのが、
”ØKOLOGI”や ”ØKOLOGISK”の文字列。
シリアルもØKOLOGISK
ハンドソープもØKOLOGIオリーブオイルもØKOLOGISK
’ØGO’はスーパーNettoが打ち出した、安価エコロジーブランドライスも ジャガイモも人参も
何でこのシリアルを選んだかって? ØKOLOGISKだからだよ。僕はØKOLOGISKの商品しか買わないんだ。
デンマークのスーパー・Føtexの買い物客
ØKOLOGI はエコロジー、ØKOLOGISKはオーガニックを意味する。
デンマーク政府は”Ecology Plan Denmark 2011-2020 – together on more ecology” という計画を発表し、2020年にオーガニック関連事業を2007年の2倍にする目標を立てている。
この影響もあり、ここ数年間でデンマークの企業や人々のエコに対する意識・取り組みが大きく変わってきたという。現在ではデンマーク人の半数以上(51.4%)が、毎週エコロジー商品を購入しているという調査結果もある。

毎年右肩上がりだが、ここ数年の間で特に急速に成長していることが分かる。
出典: Statistics Denmark.
急速に進むデンマーク政府・企業のエコな取り組み
デンマークではエコ関連のユニークな取り組みが近年急速に増加している。
特筆すべき取り組み例は以下の通り:
- 政府の取り組み
- Reverse Vending Machine : デンマークのスーパーなど3,000店舗に設置してあるリサイクル用の自動販売機。ここに空のビンやペットボトルを入れると1本につき1~3DKK(=18円~50円)ほど返ってくるので、空きビン集めを生業にする人もいるほど。
- このお金はどこからやってくるのかと思ったら、最初からデポジットとして飲料の商品価格に上乗せされているらしい。これだとリサイクルをしない消費者は常に余分にお金を払っていることになるので、ますます空きビンを返却しに行きたくなる・・という強気の構造。
- Reverse Vending Machine : デンマークのスーパーなど3,000店舗に設置してあるリサイクル用の自動販売機。ここに空のビンやペットボトルを入れると1本につき1~3DKK(=18円~50円)ほど返ってくるので、空きビン集めを生業にする人もいるほど。
- 企業の取り組み
- LØS Market : 商品パッケージを無くした、一切ゴミの出ないスーパー(2016年設立)
- Too Good To Go:レストランで廃棄対象となった食材を安く売るサービス(2016年設立)
- Herbert : 自宅で気軽にオーガニック作物が育てられる、壁掛けタイプの農園 (Kickstarter)
- 消費者の取り組み
- Stop Wasting Food:食料廃棄に対する反対活動を行う消費者団体(2008年設立)
色々な取り組みがあるが、驚くべきは「多少高くてもオーガニック商品を選びたい」「家庭ごみを堆肥にしたい」「できるなら自分で作物を育てたい」という、1人1人のオーガニック意識の高さだ。これが政府・企業のデザインにより成し得たものであれば、最強の成功事例と言える。
しかし、デンマークの人々が迷い無く「オーガニックが重要だ」と言う口ぶりに若干違和感を覚えた。彼ら個人の価値観と選択に基づいた発言というよりは、 「周りがオーガニックが重要だと言っているから重要」 という社会的なアイデンティティ・帰属意識のようなものの方が強く働いている気がしたからだ。
デンマーク人は日本人に似て、社会的なプレッシャー・同調圧力に弱い傾向がありそうだ。人口が少なく人々の信頼関係が強力な’デンマーク村’では、一旦ブームになった際の広まる勢いが日本のそれより強いのかもしれない。
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